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米国株式市場は、主要企業の四半期決算発表と米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に注目が集まり、波乱模様を見せています。特に、ハイテク株主体のナスダック総合が下落し、市場に一定の不安が広がっています。この中で、S&P総合500種は取引時間中には最高値を更新しましたが、終値はわずかな下落となり、ダウ工業株30種は小幅な上昇を見せました。
主要企業の中で、アルファベットとマイクロソフトが四半期決算を発表し、その結果株価は時間外取引で下落しました。市場はまた、超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」の決算発表を控え、投資家の間で警戒感が高まっています。チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は、「株価は信じられないほど好調で、やや慎重姿勢が見られている。おそらく当然のことだ」と語りました。
一方で、景気動向に敏感なセクターでは、ダウ輸送株20種、フィラデルフィア半導体指数、ラッセル2000指数などがアンダーパフォームしています。これらのセクターは市場の先行指標として注目され、今回の下落は市場全体に懸念を引き起こしました。
米労働省が発表した2023年12月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が3月の利下げを検討するには労働市場が強すぎることを示唆しています。FRBは今後の金利政策については慎重なスタンスを維持すると予想されており、3月のFOMCでの声明とパウエル議長の会見が市場で注目を集めています。
決算シーズンでは、S&P500採用企業のうち78%が市場予想を上回る好調な業績を発表しています。しかし、一部企業では通期売上高見通しが芳しくない例も見受けられます。国際貨物輸送大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は8.2%下落しましたが、一方で自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は24年の好調な業績見通しを発表し、7.8%上昇しました。また、同業のフォード・モーターも2.0%上昇しました。
個別企業の株価動向においては、ボーイングが31日の市場取引開始前に予定される決算発表を控え、2.3%下落しました。一方で、シティグループとバンク・オブ・アメリカはモルガン・スタンレーによる投資判断の引き上げを受け、それぞれ5.5%、3.5%上昇し、S&P銀行株指数を押し上げました。
S&P主要11セクターでは、6セクターが上昇し、特に金融セクターが1.2%高となりました。エネルギーも1.01%高で上昇が目立ちました。しかし、市場全体では値下がり銘柄が値上がり銘柄を1.4対1で上回る中、投資家の慎重姿勢が見られました。
米株市場全体での出来高は103億株であり、直近20営業日の平均は115億株となっています。この数値は市場の取引活動が一定の水準を保っていることを示しています。
まとめ
総じて、米国株式市場は複雑な要因により影響を受けながらも、好調な決算企業や堅調な経済指標が相次いでいます。ただし、投資家は依然として慎重な立場を取り、市場の展望に対して警戒心を保っています。今後のFOMCの結果や超大型企業の決算発表に注目が集まり、市場の動向には一定の不確実性が残ります。
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