■ 製造業PMI改定値とISM製造業景況指数
ドル円は2日連続で上昇し、終値は149.86円となりました。これは前日比で49銭ほどのドル高水準です。
この上昇には、アメリカの連邦準備理事会(FRB)が政策金利を長期間にわたって高い水準で維持する可能性が高まったことが影響しています。
その結果、アメリカの長期金利が急上昇し、円を売ってドルを買うトレンドが続いています。
さらに、9月の米国製造業の指標であるPMI改定値やISM製造業景況指数が予想を上回ったことも、ドル円相場を支えています。23時過ぎには一時149.87円と、昨年10月以来の高値を更新しました。
しかし、150円に近づくにつれ、政府や日本銀行による為替介入の警戒感が根強く、上昇ペースは緩やかでした。また、株価が下落したことも、為替市場の重しとなりました。
■ ユーロドルの動向
ユーロドルは3営業日ぶりに下落し、終値は1.0477ドルとなりました。これは前日比で0.0096ドルほどのユーロ安水準です。
アメリカの10年債利回りが一時4.7014%前後と、2007年10月以来の高水準を記録するなど、アメリカの長期金利が上昇傾向を強めたことが、全般的なドル買いを後押ししました。
取引終了間際には一時1.0477ドルと、昨年12月7日以来の安値を記録したのです。ユーロ圏の景気が減速する懸念から、ユーロを売る動きが強まりました。
■ ユーロ円の動向
ユーロ円も3日ぶりに下落し、終値は157.02円となりました。
ユーロドルの下落が主因となり、また、ダウ平均の下落に伴うリスク回避の動きから、円を買い、ユーロを売るトレンドが加速しました。
他のクロス円通貨も軟調で、ポンド円、豪ドル円、NZドル円、カナダドル円、南アフリカランド円、メキシコペソ円はいずれも値を下げました。
クロス円は、リスク要因に敏感であり、経済指標や世界的な経済状況に左右されやすい傾向があります。
他の通貨についても、ドルの値動きが注目されました。ドルインデックスは一時107.03と、昨年11月以来の高値を更新しました。
これはドルが主要通貨に対して強気であることを示しています。ポンドドルは下落し、ドルスイスは上昇しました。
ドルの強さが他通貨に対する相対的な影響を示しており、ドル指数の高値更新が市場で注目されています。
■ 原油市場と経済指標
原油市場についても触れておきましょう。
2日のNY原油先物は続落しました。これは、ドル高で原油価格が割高感を抱え、さらに中国や欧州の経済が不振で需要が鈍化するという懸念が売り材料となった結果です。
原油市場も、ドル高や世界経済の不透明感に左右されやすい状況です。
最後に、経済指標の数値についてです。
アメリカの9月ISM製造業景況指数は市場予想を上回る49.0となり、8月の建設支出も予想通りに0.5%増加しました。
また、9月の製造業PMI改定値も予想を上回る49.8となりました。これらの数値は、アメリカ経済の堅調さを示唆し、ドル買いを後押ししました。
■ まとめ
これらのことから、本日の為替市場ではドルが強含み、ドル円、ユーロドル、ユーロ円を含むクロス円通貨に影響を与えるでしょう。
また、原油市場もドル高と需要鈍化の懸念から下落たため、今後も世界経済や金利動向などが市場の動向に大きな影響を与えると推測できます。
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